イルミューイが本当に欲しかったものとは?3つの願いからの考察

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成れ果て村の成り立ちに大きく関わる少女、イルミューイ。

彼女は「欲望の揺籃」という遺物の力によりいくつかの願いを叶える形で村自体になりました。

まだ幼いイルミューイは何故、村になってしまったのでしょうか。

そこには彼女の願いだけではなく、ワズキャンの意図も関係していたと筆者は推察しました。

そして、イルミューイの本当の願いとはなんだったのでしょうか。

「欲望の揺籃」の解説も一緒にまとめましたので、ご紹介します。

 

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イルミューイの願いとは?

「欲望の揺籃」はイルミューイのどんな願いを汲み取っていたのでしょうか。

一つずつ読み解いていきます。

 

一つ目

ガンジャ隊のメンバーが次々に水もどきの中毒症状で倒れている状況でした。

体の小さいイルミューイももちろんその一人で、いち早く下痢や発熱、全身の痛み等の症状に苦しんでいました。

水もどきに苦しむイルミューイの願いというのは単純に「この苦しみ(水もどきの症状)から救われたい」だったのでしょう。

その結果、身体が人の形ではなくなっていきましたが、痛みを感じない姿になりました。

その後、痛みから解放されたイルミューイは子供を産み始めます。

子供を産めない身体で村を追い出された彼女の、もう一つの願いがこれでした。

小さいケモノのような見た目の子供は、イルミューイが以前可愛がっていたヤドネという原生生物に似ています。

彼女の中で愛する対象としてヤドネのイメージが強かったのでしょう。

 

二つ目

そもそも二つ目は、ワズキャンが「ヴエコが倒れた時、呼応するようにイルミューイも弱っていった」という理由でイルミューイに渡したと発言しています。

慕っていたヴエコに死んでほしくないという願いはイルミューイにあったと考えるのは自然でしょう。

欲望の揺籃は一つ目と同様、二つ目も複数の願いが干渉していた可能性があります。

もう一つの願いは、安住の地だったのではないでしょうか。

その願いが彼女自身を村にする結果に繋がったのでしょう。

しかし、ヴエコはこれを本当にイルミューイの願いなのか疑いました。

愛しい子供を取り上げられ、食材にされ続けることも、自身が巨大な村になることも望むとは思えなかったからです。

イルミューイに「欲望の揺籃」を渡したワズキャンは、神がかりと評されるほどの預言者と言われていました。

その実力は巧みな話術による、人心誘導の賜物でもあります。

幼いイルミューイにも言葉巧みな誘導をし、それを聞いたイルミューイが純粋な欲望として叶えた可能性も高いです。

 

三つ目

これはヴエコが崖から飛び降りるシーンでワズキャンが持っていることがわかりました。

消費する前に村(イルミューイ)に身体を捧げたので、ワズキャン自身が死ぬことはありませんでした。

そして村の中で二つ目の「欲望の揺籃」が砕け、ファプタが誕生しました。

二つ目から生まれたファプタですが三つ目のワズキャンの「欲望の揺籃」が混在して生まれた存在の可能性があります。

イルミューイの「死なない子供が欲しい」という思いから生まれたファプタ。

彼女の衝動は村の破壊、つまりイルミューイの心の底にあった「子供を食べた者たちへの憎悪」

そしてガブールンやナナチとの会話から推察される、ワズキャン譲りの「探求心」

二つ目と叶えた願いが前後している可能性もありますが、全てがイルミューイだけの願いではなかったと言えるでしょう。

 

イルミューイの本当に欲しかったもの


イルミューイの本当の願い、欲しかったもの。

最初筆者は、母を求めていたのかと思っていました。

まだ幼いのに母や兄弟に見捨てられたイルミューイですから、親を求める心理に至るのは自然であると考えていたからです。

しかし、一つ目の「欲望の揺籃」が叶えたのは子供を産める身体でした。

イルミューイの本当の願いは、子供自体を望むというよりも「子供が産める身体になることで、母のようになりたい」だったのではないでしょうか。

自分には母のように可愛がってくれるヴエコがいても、自分自身には母のように可愛がる子供が出来ない。

そのことが彼女の真の願いだったのかもしれません。

 

欲望の揺籃とは?


成れ果て村のエピソードで重要な役割をもつ遺物「欲望の揺籃」

これについて説明していきます。

 

読み方

欲望の揺籃(よくぼうのようらん)と読みます。

揺籃ってあまり使わない言葉ですよね。

 

基本情報

大きな卵の様な形で、透けている遺物。

持っていると願いを叶えてくれる。

しかし大人が使うと叶える前に身体が取り込まれ、身体が結晶のように割れて死んでしまいます。

色々なものが混ざり、願いが煩雑であることから大人には扱えないと言われています。

子供の感じる恐怖は原初に近く、純粋であることから子供だと上手く使えると言われています。

ただ、イルミューイの変容を見るととても歪な形で叶えるので、単純に夢のような遺物とは言い難いでしょう。

 

意味を考察

欲望はそのまま、欲している物、事。

では揺籃とはなんでしょう、言葉として調べてみます。

1 ゆりかご。
2 幼児期。また、物事が発展する初めの時期や場所。

欲望の揺籃が、幼い子供しか使えないことを考えるとどちらの意味も納得出来ますね。

また、イルミューイも持って直ぐに効果が出たわけではありませんでした。

時間をかけて持ち主の欲望を育てる「ゆりかご」と変換すると、とてもしっくり来るネーミングです。

 

イルミューイの願いとは?本当に欲しかったものを考察まとめ


「欲望の揺籃」(よくぼうのようらん)は複数の願いを叶えることが出来る遺物でした。

それぞれの叶えた願いは以下にまとめました。

一つ目
痛みのない身体
子供を産める身体

二つ目
ヴエコを救いたい
安住の地がほしい

三つ目
死なない子供がほしい

 

その子供、ファプタに受け継がれた願いとして
奪った者達への憎悪
探求心

イルミューイは遺物の力、またはワズキャンの意図によって凄惨な目に遭いました。

そんな彼女の心からの願いは「母になり、子供を愛したかった」だったのではないでしょうか。

 

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