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「親知らず」は上下左右の一番奥の歯で20歳を過ぎたころにひっそり生えてきます。
生える場所が狭い・無いといった理由で横向きに生えたり埋まっていたり。
そして、知らない間に虫歯になるなど、少々やっかい者です。
そのため、歯医者さんから抜歯をすすめられる人も多いですよね。
ところで親知らず抜歯後は食事ができない!と思っていませんか?
- 親知らず抜歯後の食事はいつからできるの?
- 何を食べたらいいの?
- おすすめメニューを知りたい!
- 歯磨きはどうしたらいい?
- 痛みが続く時の対処法を知りたい!
今回は抜歯を予定している人や、家族が抜歯予定の人に役立つ内容です。
食事後の歯磨きや痛いときの対処までお伝えしますので参考にしてくださいね。
親知らず抜歯当日までに体調も整えて準備しましょう!
目次
親知らず抜歯後の食事はいつから?
親知らずを抜歯した後、食事はいつからできるのでしょうか。
まず親知らずを抜歯する際、局所麻酔を行います。
治療方法によって個人差はありますが約1時間~3時間は麻酔が効いていますので、抜歯後の食事は念のため約3時間ほど待ってからが良いでしょう。
麻酔が切れる前に食事をすることは危険ですのでさけましょう!
- 食事の熱さを感じにくいのでやけどの危険がある
- お口の中の感覚がないので唇や舌を噛む危険がある
- お口を閉じにくく食べたものをこぼしてしまう
お口の中の感覚がない、ということはとても危険なので抜歯後3時間ほどは安静にして過ごしましょう。
また抜歯後の麻酔が効いている間、抜歯した部分の傷口を守るために血餅(けっぺい)と呼ばれる血の塊が穴の中にできます。
この血餅はかさぶたのようなもので治癒するためにとても大切な役割があります。
抜歯後は多少の出血があり、お口の中も気持ち悪いかもしれませんがぐちゅぐちゅと強く口をゆすがないように注意しましょう。
せっかくできた血餅をはがしてしまわないためにも抜歯後約3時間ほどはお口の中も安静にしておきましょうね。
- 食事は約3時間ほど待ってから
- 抜歯後に口をゆすぐ場合はぬるま湯を口に含んで顔を傾ける程度にする
おすすめのメニュー
抜歯後の食事としておすすめなメニューをご紹介します。
抜歯後は傷口の回復のためにも栄養のある食事が望ましいですが、メニューご紹介の前にここでもポイントがあります。
それは抜歯後に患部が腫れてしまうということです!
腫れについても個人差はありますが、抜歯後翌日以降は頬が膨らんでいるでしょう。
腫れているときのお口の中はあまり大きく開くことができませんし、抜歯した患部に刺激を与えない食事にしましょう。
抜歯後・当日のおすすめメニューは以下です。
- とろとろのおかゆやぞうすい
- 柔らかめに茹でた麺類
- 野菜のポタージュスープ
- 豆腐グラタンや茶わん蒸し
- ゼリータイプの栄養ドリンク
- ヨーグルトにすりおろしりんごや潰したバナナ
とにかく噛まなくても流し込めるようなものがおすすめです。
- 緑黄色野菜 ⇒ 皮膚や粘膜の保護をしてくれるビタミンAやビタミンBが豊富
- 豆・卵・チーズ ⇒ 免疫力アップの亜鉛が豊富
傷口を治すためにも栄養素を組み合わせるがポイントです。
辛さのある刺激物やできたて熱々は避け、さましてからゆっくりいただきましょう!
抜歯後・翌日以降のおすすめメニューは以下です。
- やわらかめのご飯
- 具が小さめのスープやシチュー
- 蒸しパンや食パンの白い部分など柔らかめのパン類
- 柔らかく煮込んだポトフや煮物
- 煮魚
翌日以降はお口の中の腫れもあり、大きく口を開ける事ができません。
徐々に固形物も食べられるかと思いますがなるべく少量ずつ、ゆっくりいただきましょう。
また抜歯後1週間ほどは抜歯していない反対側で噛むようにして刺激を与えないようにします。
食事が詰まるときの対処法
食事をはじめると抜歯後の患部(穴)にどうしても食べかすが詰まってしまいます。
歯ブラシや舌で取り除こうとして、大切な血餅をはがしてしまっては大変です。
血餅がはがれてしまうと回復が遅くなるだけでなく、激しい痛みが続く原因(ドライソケット)になっていまします。
抜歯後の穴に血の塊(血餅)が骨を保護してくれますが、この血餅がはがれてしまうと骨が露出したままで強い痛みが数日続くこと。
食べかすが詰まって気になる時は血餅をはがさないようにやさしく口をゆすいでみましょう。
また、徐々に歯肉もできてきますので自然に取れる可能性もありますが、気になる場合は歯医者さんへ受診しましょう。
歯ブラシやつまようじで取ろうとすることはやめましょう!
- 血餅をはがさないよう優しく口をゆすぐ
- 自然に取れるまで放置
- 歯医者さんで取ってもらう
親知らず抜歯後食事できないくらい痛いときの対策
親知らず抜歯後に麻酔が切れてから痛みが増す場合があります。
抜歯後に痛み止めを飲みますが、それでも食事できないくらい痛いときの対策は以下です。
冷やす
まずは患部に近い頬を濡らしたタオルでそっと冷やします。
氷や保冷剤など冷たすぎるもので冷やすとどんどん痛みが増してしまうので冷やしすぎないこともポイントです。
また一日以上冷やすことはその後の回復の遅れにつながるので、痛み止めも併用しながら様子をみましょう。
うがいをしすぎない
抜歯後は多少出血しますがドクドクと流れ出るほどではありません。
痛みが続くと何かしていないと不安になりますが、うがいをしすぎて大切な血餅をはがしてしまわないよう注意が必要です。
お口の中が気持ち悪い場合は、ぬるま湯を口に含んで出すか、顔を傾ける程度にしておきましょう。
頭を高くして安静にする
次にソファや座椅子などで頭を高くしたまま安静に過ごしましょう。
寝転がってしまうと血が頭の方にいきズキズキと痛みが続くので、頭を高くしておきましょう。
夜寝る時もいつもより高めの枕にすると楽かもしれませんね。
親知らず抜歯後のおすすめの歯磨き方法
親知らず抜歯後の歯磨きはしっかりおこないたいですよね。
ここで抜歯後におすすめの歯磨き方法をご紹介します。
- 治癒に大切な血餅をはがさないように注意する
- 抜歯後の患部には歯ブラシの毛が当たらいように注意する
- ヘッドの小さなブラシやタフトブラシがおすすめ
- 歯磨き粉はつけなくても大丈夫
なんといっても患部の穴にできている血の塊・血餅をはがさないように注意が必要です。
しっかり磨こうとして歯ブラシを他の歯同様に患部に当てて、食べかすを取ろうとすることはやめましょう!
ですが他の歯はいつもより丁寧に磨くように心がけたいので、磨きやすいヘッドが小さいものや薄型の歯ブラシ、またはタフトブラシが扱いやすくておすすめです。
タフトブラシとは毛束が小さくひとつにまとまっている、小さなヘッドの歯ブラシです。
ひとつひとつの歯を丁寧に磨けますので普段使いにもおすすめです。
歯磨き粉はつけなくても大丈夫ですが、気になる方は低刺激のものを少量にしましょう。
うがいもぐちゅぐちゅと強くせずに優しく口をゆすぐか、顔を傾ける程度にします。
歯磨き粉の成分が少し残っていても問題ありませんよ。
親知らず抜歯後食事できない!記事まとめ
親知らず抜歯後は食事ができない!不安に関してまとめてみました。
- 麻酔が切れる約3時間後から食事OK
- 噛まなくても食べられる柔らかいものがおすすめ
- 治癒に大切な血の塊・血餅(けっぺい)をはがさないように注意する
- 痛いときは濡れたタオルでそっと冷やす
- 歯磨きは患部に当たらないように注意!
痛みや腫れ具合は個人差がありますので様子を見ながら食事をすすめてくださいね。
また、空腹に耐えられるよう抜歯の1時間前には食事を済ませておくといいかもしれません。
体調を万全に整えて親知らず抜歯に備えましょう!